。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「じゃぁ“金田一少女”にお聞きします。
何故身元を分からなくする必要があったのか」
またもキョウスケに指差され、あたしは寄り目。
「うーん……その遺体を知ってるヤツがいるとか?遺体の正体が判明したら犯人に結びつく……とか、とか??」
「近いもんじゃね?」
戒はやっぱりあたしより一足も二足も…いや百足も早く大体の事情が分かったみたいで
表情を一層険しくさせて頭を乱暴に掻いた。
「その二体の焼死体は
こないだ神社で俺らを襲ってきた男たちや」
え――――……!
あたしは思わず戒を見上げると、戒は眉間に皺を寄せ自分の考えを整理するように小さく頷いた。
「間違いあらへんで。
死体を焼いたのも、身元を判明できへんようにって意味と、もう一つ―――
死因がコカインの中毒やなくて、拳銃によるもんやと言うことを隠滅したかったんや。
弾は貫通してまえば、解剖したって射入口も射出口も焼けて分からへんようになる」
「貫通するほどの威力のあるハジキだったんですか?」
キョウスケの質問に戒は自信がなさそうにこめかみを掻いた。
「はっきりと見てへんし、銃なんてもんいくらでも改造できるしな」
「で、でも遺体はコカインを摂取してたって…、良く分かんないけど死後に付けられた形跡って解剖すりゃ分かるもんだろ?
だったらニュースの焼死体が、あの男たちとは違うよ」
だってあのとき―――
あの男たちは間違いなく
あたしたちの目の前で殺されたんだから。