。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
水着!?
■ 水着!? ■
またも次の日―――
あたしはまだキョウスケに失恋してクサっているリコと、ストーカー被害に遭って憔悴しきっているエリナを半ば強引に連れ出し、
何故かデパートの水着売り場まで来ていた。
「プールのただ券が入ったんだ☆
気分転換にみんなでプールに行こうよ♪」
あたしが誘うと、
「プールって気分じゃない」
「あたしも…人がいっぱい居るところは…」
二人とも乗り気じゃなかったのに、色とりどりの煌びやかな水着を見てちょっとだけ考えが変わったようだ。
淡いブルーの水着に赤いハイビスカス柄のビキニを取り出して、リコが
「これ、可愛い…」
と言い出したのをきっかけに
「ちょっと派手じゃない?こっちの方が可愛いよ」
とエリナもピンクと白のギンガムチェック柄の水着を取り出し、真剣に選び出した。
「でも水着って意外に高いよね~今月のお小遣いもギリギリだしな~」
リコは値札を見て
「確かに、あたしもお金貯めたいしなーちょっと厳しいカモ」
とエリナも同意。
あたしだってそんなに余裕があるわけじゃない。
アルバイトしたって高校生のあたしが稼げるのはたかが知れてるしな。
水着が欲しいって戒に言ったら絶対に
「俺が買ってやる」
とか言い出すだろうし、だから戒には今日水着を買いにくることは内緒。
叔父貴に言ったら、店まるまる一件……あれ??何かこの会話前もしてたような…
「高いけどたまにはいくない?
だってうちら出かけるって言ってもカラオケとかウィンドウショッピングじゃん?
リコとは花火も見に行ったけど、ほとんど別行動だったし
この夏はもう二度と来ないんだぜ?
あたしは女の子の友達がいたことあんまりないから、こうゆうこともすっごい楽しいって言うか。
楽しい思い出に値段は付けられねぇよ」
あたしが値札をまじまじ見つめて言うと、二人は顔を見合わせて目をぱちぱち。