。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。




―――――

――




「イチ、風邪はどうなんだ?ちゃんと薬飲んでるのか?


注射がイヤだとかほざきやがって。いつまでもガキみたいなこと言ってるんじゃねぇよ」


出勤前の鴇田はさも面倒くさそうに目を細めて、口からも鼻からもタバコの煙を吐き出し新聞を乱暴にまくる。


外ではインテリ風情を気取ってるけど家ではヤクザ丸出しだし。


態度が悪けりゃガラも悪い。


「ちょっとぉ、あたしタバコ嫌いって言ったよね。それじゃ治るもんも治らないわよ。もっと気遣いなさいよ。


てかそれが親のセリフ?」


「うるさい。お前の好き嫌いなんて俺には関係ない。第一ここは俺のマンションだ」



……


ママ…


ママは一体鴇田のどこに恋したの?


それは今でも謎。



この姿を見たら百年の恋も冷めるわよ。






あたしはパパって呼ぶことすらイヤで、てか未だにこいつが父親であることを認めたくなくて


未だに“鴇田”呼ばわり。



『パパ』って…




愛しくて愛しくて




その名前を思わずつぶやくときってくるのかな?






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