。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
結局その数秒後、俺たちは互いに睨み合ってどこか真剣な表情で
「「じゃんけい~(じゃんけん)!!」」
「「ほい!!!」」
ま、これが一番簡単な方法で……
だけど
「ぐわっ!」俺は開いた手のひらを震わせてガクリ。
言うまでもなく俺がパーで響輔がチョキだったわけで。
忘れてた。昔っから響輔はじゃんけんにやたら強いんだった。
できればそれは回避したかった。
朔羅と旅行前にトラブルになる種を持ち込みたくねぇんだよ。
「ではキリさんのタトゥーは戒さんが確認すると言うことで」響輔はご機嫌に頷いてノートの項目にチェック。
でもその手を途中で止めて
「と言うか、戒さんが行くよりお嬢に確かめてもらった方が早いのでは?
女性同士だし、その辺は違和感なく確認できると思うのですが」
今更ながら響輔がそんなことを言い出し
今度は俺の方が呆れた。
「バカかお前。キリさんはスネークか白へびの疑いがある女だろ?
そんな危険な人物に、あいつをのこのこ会いに行かせられるかよ」
俺が腕を組んで響輔をちょっと睨むと
俺の怒りとは反対に響輔はうっすら微笑み、
「戒さんは
―――戒さんこそ、絶対に誘惑されませんよ。
だって何だかんだいいつつ、やっぱりお嬢のことしか見えてないですもん。
お嬢が大切でお嬢を守りたいと思う気持ちがきっと人一倍強あなたなら―――」