。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
生憎鴇田は不在だったが、別に今は鴇田に用があるわけじゃない。
案内されながらも…
「え!龍崎組のお嬢っ!!」
「会長が溺愛なさってる!」
「え!俺はじめて見る」
「あ、結構可愛い♪」
し、視線がイタイ…
鴇田組の連中は、
見るからに血の気の多そうないかつい連中が集まった龍崎組とは違って、どこか落ち着いてるが(スーツのせいか?)
ヤクザには間違いねぇな。
「オヤジ(鴇田のこと。もちろん鴇田は彼らの父親ではない)が居ないけど、どう労やいいんだ?」
「ゆ、指一本で足りるだろうか」
………
あたしを何だと思ってンだよ。
イライラしながらも案内された先では、タイガがこれまた平和にカップラーメンなんて食ってる最中だった。
ずるずる音を立てて麺をすすっていたが、あたしらの登場にさすがに驚いて麺すすり途中にその動作が止まった。
変な風に止めたからだろうか、タイガは盛大にむせて口元を覆う。
「ゲホッ、ゴホッ」
「大丈夫ですか、兄貴!」
すかさず水を差し出す組員。そのグラスを受け取りながら
「どうしたの~!全員おそろいで★
もしかして僕に会いに来てくれたの~?♪♪」
といつもの調子でへらへらとあたしたちを眺める。
「その、もしかして。です」
すかさずキョウスケが近くの椅子を引き寄せてタイガの横についた。
「あれ?いつもにも増して積極的だね、ヒヨコちゃ~~~ん♪」
タイガは嬉しそうに笑ってキョウスケに迫ったが、
「僕も居るよ」
と戒がメガネの声でタイガのデスクに腰を掛けると、
「ヒツジちゃんも♪どうしたの?デートのお誘いなら大歓迎だよ~」
タイガはデスクに座った戒の太ももをいやらしい手付きでさわさわ。
額に血管を浮かべながらも戒はその手の甲をつねり、
「デートじゃないけど僕たちお給料前だから、タイガさんに何か食べさせてもらうと来たわけ~」
「ふんふん、なるほど~♪」
タイガは戒の言葉に気を悪くすることなく頷きながら、
「うさぎちゃん、ここおいでよ☆特等席~」とタイガは膝の上を指差し。
「行くか」
こいつ……
ホントにスネークなのかなぁ…
って、いっつも会う度疑問に思うんだよねぇ。