。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。


千里はケータイを取り出して


「家からだ。ま、どーせ『牛乳買ってきて』とかだろ?いいや、シカトする」


千里はそう言ってケータイをポケットに仕舞い入れようとしたけれど


「出ろよ。家の人に何かあったらどーすんだよ」


あたしの説得に結局千里はしぶしぶ


「はい、もしもし?」


ちょっと不機嫌そうに電話に出た。


「―――あ?今??図書館の近く。朔羅と一緒」


千里ママからだろうか。


とりあえず千里の口ぶりから家の人に何かあったわけじゃなさそうだ。


「―――え?親父帰ってくんの?―――は?着替えを取りに…?


てか亭主の世話ぐらい妻がしろっつうの」


千里の話しぶりからすると、どうやらおっちゃんはしばらく仕事で警視庁に泊り込んでたみたいだけど着替えを取りに戻るみたい。(あくまで想像)


マルボウ(暴力団対策本部)に配属されてるおっちゃんは多忙だ。


小さい事件から大きな事件まで日々ヤクザが問題起こしては、おっちゃんたちが捜査に乗り出している。


何か……ゴメンナサイ。おっちゃん。



…と、そこまでは普通(?)の会話だったけど




「―――は…?デート…??


おかん、あんたいい歳したおばさんが何浮かれてるんだよ。



――――はぁ!?



相手親父じゃねぇって、どーゆうこと!!」




え!!?


あたしも思わず目を丸める。


「ちょっ……!待てよっ…!」


千里が引きとめようとするも、無情にも電話は切れてしまったみたいで


ツーツー……


虚しい電子音が鳴るケータイを手に千里が目を開いて呆然。


まさかまさかの






千里のおばちゃんが不倫!!?










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