。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
響輔は俺の言葉に顔を上げ、今まさにアイスコーヒーを注ぎいれようとした手を引っ込めた。
「同郷ではないはずですよ?だって鴇田さんと兄弟じゃないですか」
「そうだったな…幼馴染っつってたからてっきり俺たちみたいに生まれたときから一緒みたいなのを漠然と想像してたけど。
てことは小学生以降からの付き合いかぁ」
「確かに…そうですね。嫌な組み合わせですね」
「まぁ変態同士何かと気が合うんじゃね?
それよりも新聞よりそっちの方が早いんじゃね?ドクターを締め上げて吐かせるのが手っ取り早いぜ」
「PCと同じですよ。ドクターは白へびかもしれないんです。
不必要に情報を与えるのはこちらにとって不利になります」
「んじゃ鴇田だ。あいつタイガと長いんだろ?
鴇田だったら何か知ってるかも」
「その線もないと思いますよ?」
はっきり言われて
「何でだよ」
俺はム。
さっきから俺の意見に否定ばかりしやがって。
特に最後の方はひでぇ。根拠もねぇくせに否定しやがって。
「何でって……」
言いかけて響輔は口を噤んだ。
『言葉を飲み込む』って言葉あるけどまさしくその通り。
響輔が政界の大物になっても「失言」でバッシングされることはぜってぇないな。
ついでに何かでお縄になっても「黙秘」を続けることができる。
根拠
―――あんのか?
俺は黙り込んだ響輔を見据えて顔を近づけた。
「前から思ってたんだけど、最近お前―――
何か俺に隠し事してね?」