。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
タイガの住んでるマンションは事務所から車で20分と言う場所にあった。
きれいなこげ茶のマンション。高そうだな。
はじめて来た…タイガのマンション…
叔父貴と言いドクターと言いタイガと言い。
アコギな商売で儲かってンな、ヤクザめ。
「事務所でカップラーメンも味気ないし~誘ってくれて嬉しいよ♪♪」
部屋まで案内されながらタイガだけが一人でご機嫌。
あたしらはその話に頷いたり、適当に合わせたり。
考えたら結構ヒドイ作戦だな。
タイガが本気であたしらに好意を持ってるなら、尚更。
「散かってるケド~」
タイガはにこにこマンションの扉を開け、中を促す。
でも途中で思いとどまったのか、いつになく真剣な顔で振り向くと
あたしたちは三人ぎくりとして立ち止まった。
だけどすぐにまたもいつものへらっとした顔になると
「このこと組長に内緒ね!僕が三人をマンションに連れ込んだって知ったら
頭撃ち抜かれちゃう」
と、“お願い”ポーズで手を合わせる。
何だ…そんなことか。言われなくてもあいつに言うつもりもねぇし。