。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
どこでだ―――?
どこで、どのタイミングで聞いたんだ。
そして何で急に思い出した。
それが思い出せない。
俺はノートを握り締めたまま考え込んでいると、向かいの席で響輔がまた訝しそうに眉を寄せて
「戒さん?」と聞いてきた。
「ちょっと黙っててくれ」
俺は短く言って口元に手をやりノートの字を睨んだ。
俺の言いつけ通り響輔が口を噤み、俺は自分の考えに集中した。
周りの女子大生がこっちを見て何かを噂している。
煩い。
黙れ
サラリーマン、新橋が近く……
ここは浜松町。大学は近くにないはず―――
有楽町…
「有楽町だ!」