。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
俺がバっと顔を上げると、響輔がまたも怪訝そうに眉間に皺を寄せ
「それが何か?」と言いたげだ。
「響輔!有楽町の前の駅って何だ…!」
「前??…えっと東京駅。いや、日比谷ですかね」
「違う。山手線じゃない。俺が乗ったのは地下鉄だった。有楽町線だ」
「銀座一丁目ですかね…それから
桜田………」
さくらだ
言いかけて響輔も目を開いた。
驚愕とも困惑とも取れる複雑な表情だった。
「まさか」
「その『まさか』や!間違いないで!!
朔羅が電車で会った男が言うてたのは“その”ことやったんや
『さくらだ』にはまだ続きがあったんや!」
「ありえないですよ。だって…
お嬢は言うてました。会長とタチバナは同級やったって。
家に来たこともあるて。
戒さんのその仮説が本当ならタチバナは我々の
天敵―――
会長がそのタチバナとつるむはずがない。
手を組むなんてあり得ない」