。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。



またも心臓が強く鳴ってあたしは顔を逸らした。


「殺し屋みたいなのが居るって言いたいわけ?


あなたテレビの見過ぎじゃない?バカじゃない?」


何とか答えた言葉は震えていた。


唇を噛み、足の底から這いあがってくる震えに思わず両肩を抱く。





この男は知ってる―――




玄蛇とあたしが繋がってることを。




はっきりとは言わないけど、カマかけてるんだ。







「you、あなた震えてるわよ?大丈夫?」


マネージャーがあたしの手にそっと手を重ね、震えるあたしの二の腕を撫でさする。


「あの、本当にこの子、今大事なときなんです。


動揺させるようなことしないでください」


マネージャーがまたも刑事を睨み、刑事は苦笑い。


「女優さんてのも大変だ」


とまたもさっきと同じセリフを吐いて、今度は


「あなたもなってみれば?そのルックスならいけるわよ?」


強がりを言ってみた。


……けど


「刑事を辞めるときは考えてみますよ。


さて、雑談と就職相談はここまでに」


パタン


刑事は手帳を閉じてまたもあたしをじっと見据えてきた。






「あの放火殺人事件で死んだ男に覚えは?」





またもいきなり直球を投げかけられてきて、


あたしは再び唇を引き結んだ。











< 562 / 841 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop