。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
またも心臓が強く鳴ってあたしは顔を逸らした。
「殺し屋みたいなのが居るって言いたいわけ?
あなたテレビの見過ぎじゃない?バカじゃない?」
何とか答えた言葉は震えていた。
唇を噛み、足の底から這いあがってくる震えに思わず両肩を抱く。
この男は知ってる―――
玄蛇とあたしが繋がってることを。
はっきりとは言わないけど、カマかけてるんだ。
「you、あなた震えてるわよ?大丈夫?」
マネージャーがあたしの手にそっと手を重ね、震えるあたしの二の腕を撫でさする。
「あの、本当にこの子、今大事なときなんです。
動揺させるようなことしないでください」
マネージャーがまたも刑事を睨み、刑事は苦笑い。
「女優さんてのも大変だ」
とまたもさっきと同じセリフを吐いて、今度は
「あなたもなってみれば?そのルックスならいけるわよ?」
強がりを言ってみた。
……けど
「刑事を辞めるときは考えてみますよ。
さて、雑談と就職相談はここまでに」
パタン
刑事は手帳を閉じてまたもあたしをじっと見据えてきた。
「あの放火殺人事件で死んだ男に覚えは?」
またもいきなり直球を投げかけられてきて、
あたしは再び唇を引き結んだ。