。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
ピザを適当に決めて、タイガが電話で注文してくれると
「その間にコーヒーでもどぉ?
今日は大サービスで僕のスペシャルドリンク淹れてあげるよ♪」
とノートパソコンを脇に避ける。
スペシャルドリンクって…何だよ、その妖しい飲みもんは。
「僕、ジュースがいい」と戒がヒツジちゃんの笑顔を浮かべてにこにこ。
「……俺も」
キョウスケは視線を泳がせて遠くを見る。
どうやらスペシャルドリンクが何なのかこいつは分かっているようだ。
ぜってぇ妖しい飲みもんに違いねぇ。
「あ、あたしも!」
あたしも勢い良く挙手して、
「生憎だけどジュースは無いんだ~…ウーロン茶ならあるけど」
「じゃウーロン茶で」
あたしたちの返事を聞きながらタイガはいそいそとキッチンに向かっていく。
あたしはその間キョロキョロと部屋の中を見渡した。
家具や調度品なんかはシンプルで、でも物があまりない。
生活感があまり感じられないとも言える。
男の独り暮らしってこんなもんか…
戒の部屋もキョウスケの部屋もなんかこざっぱりしてるし。
「はい、どーぞ。ウーロン茶」
そう言ってタイガがトレーに人数分のウーロン茶が入ったグラスを持ってきた。
それを受け取ろうとして、
バシャっ
あたしは“わざと”ウーロン茶のグラスを受け取り損ねた。
ウーロン茶はタイガのスーツに掛かってタイガがちょっとびっくりしたように目をぱちぱち。
「…ご、ごめん!」
て一応は謝ったケドわざと。
「手が滑った?うさぎちゃん。
いいよ、いいよ。気にしないで」
タイガは苦笑を浮かべて上着を脱ぐ。