。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「はい。探してるのはこれでしょう?
どーぞ。
僕が片付けちゃったんですよ~もう必要ないかと思って」
「勝手に片付けるな。面倒を増やしやがって」
悪態をついてファイルを奪うと、
「素直じゃないんですから~」
と言って苦笑い。
お前に素直になってどうするってんだ。
資料を手渡したらもう立ち去るかと思いきや、タイガは
トン
棚に手をついて俺を見下ろしてきた。
俺より上背があるから、俺はタイガを見上げる形になる。
てか…
近い、近い!
「まだ何か?俺はお前にもう用がないから立ち去れ」
鬱陶しそうに手をひらひらさせると、タイガはにっこり不気味な笑顔。
「ところが僕の方はあるんですよ~♪」
「だったら後で聞く。とにかくそこを退け」
いつもより至近距離。
追いつめられているように思えるのは俺だけなのだろうか。
「これが女子の鉄板・萌えシチュエーションの〝壁ドン”てヤツですよ。
どうです?萌えません?♪」
萌え……
「るわけあるかぁ!!」