。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
お嬢が――――
倒れた………
お嬢は今検査中で詳細は不明だと言う。
けれど命に別状はないらしい。
俺は慌ただしく衛との電話を切り、保留にしてあったイチとの電話に切り替えた。
「悪い、イチ。緊急事態だ。
お嬢が倒れて御園に運ばれたらしい。俺はそっちに向かうから。
また電話する」
今度の早口はわけもわからない戸惑いじゃなく、緊張からだった。
お嬢が倒れた――――……
「ぇえ!!うさぎちゃんが倒れたの!!?今、衛の病院に!!」
と、まだ近くに居たタイガが俺の肩を掴んで揺さぶる。
「お前まだ居たんかよ!!」
タイガが揺すったせいでスマホが少しだけ耳から離れ
『あんたは……いっつもいっつもそう……
もういい!』
イチの一段と低い声が聞こえてきて、
「……イチ!」
俺が何か言う前に、
プツリ!
通話は突如消えた。
くそっ!
何だってんだよ!!!
どいつもこいつも!
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