。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
ドクターの言葉を聞いて足元から何かが崩れ落ちる感覚があった。
ピンと張ったピアノ線みたいな意識が切れて、俺はその場で崩れそうになった。
前にもあった―――
こんな感覚。
そうだ……あれは―――俺の知らないところで、朔羅がタイガに連れていかれたときだった。
足元から力が抜けて、ふわりと視界が歪む。
貧血持ちの鴇田は大変だな。
「戒さん!」
慌てて後ろから響輔が支えてくれる。
「キミの方がよっぽど倒れそうな勢いですね」
変態ドクターも苦笑い。
うっせぇな。
―――ただ、大切で
大切で
絶対失いたくない女を心配して
何が悪いってんだよ。