。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
話は終わった。
と、言う意味で立ち上がろうとすると
ぐい
キョウスケが俺のスーツの裾を強く引っ張った。
そのせいで俺はまたも椅子に逆戻り。
予想もしないタイミングに尻餅をついた。
「いってぇな!」
思わずキョウスケを睨むと
「すみません。もう一つお聞きしたいことがあるんですが」
「何だよ。一つだけ。と言う約束だ」
俺が忌々しそうにキョウスケを睨むと
「大狼さんのことで聞きたいことがあって」
「はぁ?今度はタイガ?」
「最近、大狼さんの求愛がしつこくて、何か反撃に使えるネタがないか…と」
キョウスケが目を伏せて床の辺りに視線をさまよわせる。
タイガのヤツ!!性懲りもなく、そして文字通りキョウスケのケツを追いかけやがって!!あの変態!!
「お前も不憫なヤツだな…」
俺はタイガに振り回されて二十年。被害の年数にしたら俺の方が長いが、
だからこそ、同情しちまうぜ。
っつっても、俺はタイガのプライベートを全くと言っていいほど知らないし。
弱み…って言われて即答できるほどヤツを知っているわけではない。
考えたらちょっと不思議だ。
二十年来の付き合いなのに―――俺はあいつのこと、上辺だけのデータしか知らなかった。
「大狼さん故郷は東北の方だと伺いましたが、元は玄武の人間だったんですか?」
だがキョウスケの言葉は俺の予想に反するもので、俺は目をまばたいた。