。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。



ドクターはあたしの脈を図ったり目の瞳孔を見たり、と言う検査を一通りしてから


「どこか具合の悪いところは?」


と聞いてきた。


「頭痛と…あと吐き気が…」


あたしがムカムカする胸元を押さえると、


「吐き気……まさか!」


ドクターは、メガネの奥でかっ!と目を開いた。


な、何!?


もしかしてあたし不治の病なんじゃ!!


急に不安になって思わず戒と顔を見合わせると


「〝おめでた”ですか?


すみません、そちらの検査はしていなくて」


ドクターは困ったように眉を寄せ顎に手を当てながら、ちらり


戒の方を見て、にっこり笑う。


「〝こんにちはパパ”」


…………



「「んなわけあるかぁ!!まだ及んでもねぇっつの!!!」」


あたしと戒の声が揃い、今まで不思議なぐらい静かだったのにドクターの介入で急に病室が騒がしくなった。



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