。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
怖い――――……?
何が…と聞くほど、あたしもバカじゃない。
「怖かった。
お前が――――……お前にもしも何かあったら、とか色々考えちまって。
響輔にも一ノ瀬にも怒鳴っちまったし。
みっともねぇ」
あたしは戒のふわふわの髪にそっと手を伸ばした。
指先が戒の柔らかい髪を捉え、戒がふいに顔を上げる。
目が合った。
―――そう思ったら手が動いた。
戒も体を起き上がらせると、あたしは戒を引き寄せ、戒もあたしの頭を両手で包む。
戒に頭を抱き寄せられ、あたしも戒の背中に手をまわしてきつく抱きしめた。
戒の香りをいっぱいに吸い込む。
柔軟剤と―――ミントの香り……
強く
強く
抱きしめた。
戒も同じだけ強くあたしを抱きしめて、
「なぁ
頼むよ
頼むから俺の傍から離れんといて?
頼むから」
居るよ。
あたしはあんたの傍にずっと――――
それは精神的な距離ではなく、言葉通り物理的な距離を言ってること
分かってた。
心配かけて、ごめんね。