。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
戒があたしをちょっと離すと、真正面からあたしを見つめてきて、そっと手を握る。
「手、冷たい………」
そう言ってちょっと目を伏せる戒。
長い睫まで色素が薄くて、病室の窓から入ってきた西日でキラキラ反射している。
指先が冷たいのは――――
「点滴中だから…かな」
あたしはポツリ、ポツリ…と、まるで戒の不安や悲しみを代弁するように……涙のように落ちる点滴の液体をのろりと見上げた。
顔を上げると同時―――
戒の顔がすぐ近くにあって、まばたきをする間もなく
唇に口づけが降りてくる。
まるでその存在を確かめるように、あたしの頭を両手で包み込み、角度を変えて何度も―――
戒は息継ぎの間も与えまい、と何度も口づけをし
「………っふ…」
その甘いキスに溺れそうになっていると―――
ドクン!
突如心臓が強く鳴った。
黄 龍
来 ま せ
我 が 君