。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
んで
その直前まで戒たちがファミレスで話し合ってた内容ってのが
キョウスケの持ってきたノートの中に要約して書いてあるらしい……
…が
難しい漢字やわけわからん記号がいっぱいで読めん!
おまけに二人の字が入り乱れていてあちこちに矢印で印打ってあるし。
何なんだこの暗号は!
「魔法書か!」
あたしは理解できなくて思わずキョウスケに突き返した。
「その手の話はユズさんにお願いします。きっと喜んで話してくれると思いますよ」
キョウスケはノートをぱらぱらめくりながら
「ところでさっきまた新たな情報を手に入れましたよ」
とさらりと言った。
「「新たな情報!?」」
戒とあたしの声がそろって二人して顔を見合わせると、戒は「何か俺ら仲良し~♥」と言いながらにこっ。
さっきの一瞬のキマヅさはどこへ行った??と聞きたくなるほど、自然に子犬みたいにすり寄ってくるし。
あたしは戒の頭を肩に乗せたまま
「んで?情報てのは何だ?
明日はハリケーンが来るとか言うネタだったらいらないぜ?」
「天気ネタじゃありません。
それに日本ではハリケーンとは言わず台風です」
とキョウスケに冷静に返されちゃった。
「イチと進展があったって言うネタもいらないぜ?お前のガキができたっていうネタだったら驚いてやるがな。
男でも女でも顔〝だけ”は可愛い子が生まれることは確かだな♪」
戒は冗談っぽく笑ったが、
ガタっ
キョウスケは椅子を鳴らして立ち上がると無言で戒の胸倉を掴んだ。
「うそ、ウソ!冗談に決まってるやん。響ちゃん怖いぃ」
とキョウスケの手から逃れた戒は、さっとあたしの背後に隠れる。
お前…その冗談あたしでも笑えねぇぞ。
「子供のネタでなくてすみませんね」
キョウスケが嫌味っぽく目を細めて
「でも遺伝子ネタではあります」
遺伝子ネタ??
あたしはまたも戒と目配せ。でも今度は声が合わさることはなかった。
二人して同じように首を捻っている。
「スネークはどうやら
アルビノらしいです」