。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
タイガの部屋を出た瞬間、
バッ!
あたしたち三人は顔を見合わせて円陣。
「タイガの腕、やっぱりタトゥーがあったぜ。朔羅の見間違いなんかじゃなかった。
響輔、ウィルスはどうだ?」
「ウィルスの方はうまくいきましたよ。
でも送り主不明の不審なメールを発見しました」
「キョウスケ、やっぱ解読無理だったか?」
「メールの件は、収穫が無しってわけじゃありません。
うまくいくかどうか分かりませんが、メールの内容と動画をコピーしてきました」
キョウスケは珍しく首にシルバーチェーンのアクセをしていたと思ったら、カットソーの中からペンダントトップを取り出した。
ペンダントトップだと思っていたそのチェーンの先は、同じ色のUSBメモリだった。
てか用意周到だな、おい。
「でかしたぞ、キョウスケ!」
あたしが勢い込み、
「でもコピーなのでうまくいくか分かりませんが」
とキョウスケは少し自信がなさそう。
「おめぇなら大丈夫だ!」と、何の根拠もないけれど、あたしはバシっとキョウスケの肩を叩き、
今度こそタイガのマンションを離れた。