。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「え…でも……!」
ちょっと待って。こんがらがってきた。
「だってあいつ女は愛せないんだろう?」
「〝愛せない”とは彼の口から一言も聞いてません」
た…確かに……
〝可愛い男の子”が大好き、とは聞いたケド。
「現にあいつはお前のことだって狙ってるしな。まるきりダメとかじゃない。いわゆるバイってやつだな」
バイ…
バイバ~イ!♪
……じゃなくて!
両方いける。
ホントに居るんだなそんな人種が。
あたしはノートを力強く握ったまま目を開いてその文字を凝視。
「で、でもただの偶然かも…」
「偶然と片付けるには無理がある。
あのメールは暗号化されてた。つまりタイガの方も知られたくなかったってことだろ?」
そ…そっか。
そう…だよな。
「でもさ!だったら何でタイガのやつ、無防備にPCを開いたまま席をはずしたんだ?
見られるかも、って思わなかったんか?
あいつがスネークだったら間抜け過ぎるんじゃね?
それに理系のお前がこんな仮説信じるってことが意外だぜ」
あたしはノートをキョウスケの胸にドンと突き返し
「また理系って……俺ってそんなに理屈っぽいですか?」
とキョウスケがちょっと悲しそうに影を背負って俯く。
いや、理屈っぽいとかじゃなくて。
「そんなんじゃなくて
医者目指してるお前だったらさ~もっと医学的根拠
たとえば血液型とかDNAだとか、そうゆうことを最初に考えそうだけどな、って意味」
ま、おバカなあたしにはどっちの仮説も思い浮かばなかったけど~
と付け加えて笑うと、キョウスケはぎくりとしたように目を開いた。