。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
混乱してきた。
あたしの前に座っている人は一体誰なのか―――
ああ、そうか…
もともと戦争を起こさないように両者の橋渡し役として、あたしたちの婚姻が契約されたわけで。
最初からそこに愛があったわけじゃなかったんだ。
けど
信じてたんだよ、あたしは―――
雪斗とは違う―――って
だけど戒にも
雪斗と同じ性質のものが心の奥底で眠っていたんだ。
それは残忍で、冷たい―――
「じゃぁお前は考えたことがあるのかよ…」
心臓に手を当てたままぎゅっと手を握りあたしは戒を睨み上げた。
「……」
戒が目を細めて無言で「何を?」と聞いてくる。
「お前は考えたことがあるんかよ!
小さな子が…
これからたくさんの可能性を、未来を持ってる子が
心に癒えない傷を背負うっていう本当の意味を―――」
お前は分かっているのか。
最後の言葉は驚くほど冷静だった。
戒が細めた目をゆっくりと開く。