。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
ホントは分かっていた。
戒はあたしのことを考えてくれて、あたしのことを心配してくれて。
そして戒は雪斗とは違うってこと―――あたしが一番よく知ってる。
あたし―――
何で感情に任せてあんな酷いこと言っちゃったんだろう……
タイガがあたしを見て、ぎょっとしたように目を見開き
「タイガさん、ご覧の通り取り込み中なんです。今日は外してください」
キョウスケが冷静に返して
「……そうだね。出直すよ。ごめんね、間が悪かったみたいだね」
タイガは素直に頷き、部屋を出て行った。
あとに残されたあたしとキョウスケ。
「大丈夫ですよ、お嬢。
戒さんは確かに怒ってるけど、それはお嬢にじゃありません。
あの人はそこまで子供じゃないしバカでもない。
あの人が怒ってるのは
お嬢を悲しませた自分自身に、ですよ」
キョウスケが再びあたしの頭を引き寄せ、その肩に寄りかからせるとまた頭を撫でた。
ううん
悪いのはあたし
あたしがいつまでもいつまでも
過去を引きずってるから……
戒との未来を見ようと努力してるはずなのに
心のどこかで
夢見ることを諦めてるのかもしれない―――から。