。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「とりあえず、早く仲直りしてください。
これじゃスネークの思う壺です。内部分裂してしまう」
響輔に言われて俺も小さくため息。
「分かってるよ」
俺もため息。
さっきの状態を見てりゃ分かる。もう俺たちはバラバラだ。
俺たちがバラバラだったらあいつの思う壺だ。
「カズノリくんのことは一旦おいといて、それよりさっき戒さんの言葉で気づいたことがあるんですが」
響輔が顔を上げて真剣な目で廊下の奥を目配せ。
「以前戒さんが入院したとき、襲ってきた男はどうやってこの病院に侵入したんでしょうね」
問いかけられ、響輔の視線の先を見るとそこには監視カメラが回っていた。
普通の病院ならなかなかない光景だな。
ここは極道の病院だしな、不審者の出入りを厳しくチェックしてるに違いない。
そう言えば以前俺が侵入したサーバールームも※PCに厳重なセキュリティが施されていた。
※CherryBlossom Ⅱ参照
「監視カメラの映像を細工したんじゃねぇの?
お前がイチからデータを盗んだことに気づいたヤツだ?それぐらい簡単なことだろ」
「そうかもしれません。けれど一度侵入経路を調べる必要があります。
今日だけでも。お嬢が入院しているので」
「調べるってどうやって?」
「それは戒さんがご自分で考えてください。あなたならどうするのか、と」
響輔が冷めた目で俺を見てきて、俺はため息。
どうやって?
なんて愚問だ。俺だったら侵入するルートは一つ。
「通気口ダクトだ」