。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
通気口ダクトは当然ながら真っ暗だった。
俺は自分のケータイの明かりを頼りに匍匐前進の要領で体を進めていく。
俺サイズの人間は楽とは言わないまでも、通れないほどでもない。
「きったねぇな。埃だらけだ。蜘蛛の巣張ってんぜ?」
思わずこぼすと
『画像を確認してます。ここ数年は使われていないようですね』
響輔の声がスマホから聞こえてきて、その声がダクトに響いてエコーがかっていた。
「ああ。だが、ダクトは網の目のように枝分かれしてる。たまたま侵入者がここを使ってないだけ、って可能性もある」
『ほかに何かトラップは?』
響輔が言い出し、
「おい!そうゆうことは俺が入る前に聞けよ!」
『戒さんなら分かってるかと思って』
と響輔の白々しい声が聞こえてくる。
勘弁してくれよ。
何か仕掛けられてたらアウトだぜ?
この狭い通路で逃げ場はない。
それでも
『だから俺と今繋がってるんですよ。
戒さんに何かあったら俺が助けます。
戒さんはそのまま進んでください』
響ちゃん!♥おっとこらし~!!
きゅん
『…の、つもりですけど、間に合わなかったらすみません』
おい!響輔っ!!!