。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
戒に手を引かれるまま、あたしたちは近くのスーパーまで出向いた。
戒はキョウスケが気を遣ってくれてるって言ったけど…
でも、
そうだとしたら、あたしあいつに酷いことした。
さんざん振り回して、相談乗ってくれたし、協力もしてくれた。
戒と喧嘩みたいになっちゃったし(仲直りはしたけど)
キョウスケの気持ち知ってて、頼るときだけ頼って、
都合の良いように振り回して、
あたしってサイテー…
そんな自己嫌悪~に陥ってると、
戒にいきなりでこピンされた。
「いでっ!」
打たれた額を撫でさすりながら、「何すんだよ」と恨みがましい目つきで戒を睨みあげると、
「他の男のこと考えてたやろ」
ちょっとつまらなさそうにそっぽを向く戒。
その戒の手に握られているものを見て、あたしは思わず笑った。
「おめぇだって他の男のこと考えてんじゃん。
塩辛はホットケーキに必要ないぜ?」
あたしの指摘に戒は、はっとなって慌ててかごの中に塩辛を押し込む。
「こ、これは!ビールのつまみに!」
「未成年が店で堂々とビールとか言うなよ」
でもまぁ、
戒は本当にキョウスケが好きで、
戒だって気を遣ってくれたキョウスケのことを考えてるんだな。