。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
『ジミー・チュウ パンプス』で検索すると目が回りそうなぐらいの種類と値段のパンプスがずらりと出てきた。
最初のうちは一個ずつ見てったけど、途中からそれも面倒になった。
「違う違う、色は白で~もっとこうヒールが折れそうなぐらい華奢だったんだよね」
独り言をブツブツ漏らして検索キーワードを増やしていると
「珍しいものを見てるんですね。買うんですか?わ…
結構値が張るものなんですね」
とキョウスケが覗き込んできた。
「あ、うん……じゃなくてううん!」
どっちなんだよ。自分で自分に突っ込む。
「こ、こないださ、お店のショーウィンドウで見たんだ!!可愛いパンプスがあって……
あって…」
ぅうわ!この後どう説明すりゃいいんだ!??
「こんな大人のお姉さんが履くような靴、あたしには似合わないだろうけど、
でもちょっと気になったって言うか…」
言いかけて、
あたし――――何でこんなに必死に言い訳してるんだろう。
ちゃんとキョウスケに説明すればいいじゃん。
そう思ったけれど口から出るのは嘘と言い訳ばかり。
その嘘もとうとう言い尽きて、口をつぐんでいると
「きっとこんなハイヒールが似合う女性に、あなたは成長するんですね。
俺が想像もしない速さで
あっという間に―――」
キョウスケが目を伏せてどこか楽しそうに淡い笑みを浮かべる。