。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
さほど驚かなかったのは、この前タイガの夢を見たせいかも…
タイガが連れていた女の子の口元に―――キリさんと同じ場所にほくろがあった。
ほくろは遺伝するって言うのが当たってるなら、もしかしてキリさんの近親者かもしれない。
―――けど
あれ??
タイガも妹が居るようなこと言ってたけど、あいつ妹は死んだって言ってたよな。
じゃぁやっぱりこの二人はきょうだいじゃないのか…
てかきょうだいと結びつけるほうが無理があるって!!親戚??ってのも無理があるな。
美形兄妹には違いないが、似てないし。
結局その方向に落ち着いた。
だってそんなドラマみたいなこと普通おきないって。
髪を乾かし終えて、キリさんが持参したトリートメントをつけてくれて髪はさらにつやつやピカピカ。
やたらと重そうだったのはこんなのがいっぱい詰まってるからか…
あたしはリアルにキリさんのお人形さんになりそうだ。
「とっても楽しかったですわ。妹といるみたいで」
キリさんはにっこり笑った。
そこに深い意味なんてないのに―――でもその笑顔がどこかぎこちなく曇って見えたのは気のせいなのかな。
「じゃぁ私はこれで。あんまり待たせるとあなたの王子様候補が怒るから。
扉の向こうで目を光らせてるんですのよ。
私があなたに何かしないか」
キリさんは誰も聞いていないってのに、内緒話をするように耳元でこそっ。
って…
そんなことより
王子様候補って!!
「ち、違います!!キョウスケはそんなんじゃ」
「誰もキョウスケさんなんて言ってませんけど?♪」
キリさんは楽しそうに笑って、
は!しまったぁ!!
またもあっさり過ぎるほどハメられたあたし。