。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
千里はぎこちなく言って、ぶっきらぼうに卵をかき混ぜる。
「お前に諦めない、好きでいるのは自由だって言ったけど、
早速次の子にいってる俺、やっぱサイテーだよな」
千里は自嘲じみてちょっと笑って、卵をまぜる泡だて器の手を止めた。
あたしはそんな千里を見上げて
「サイテーじゃないよ。
千里が本当に好きになって幸せなら、それが一番いい。
幸せに―――なれよ」
あたしと千里は幼稚園のときから一緒だった。
いっつも遊ぶときは一緒だったし、遠足やお泊り保育も常に隣にいた。
小学校も中学校も―――
春も夏も秋も冬も
―――そして今も
喧嘩もいっぱいした。
悲しいこと、嬉しいこと色んなことを共有した。
守ってもらった。
そんなあたしたちは同じだけのスピードで同じだけ成長していたんだ。
その道が分かれようと、
あたしたちは生涯の
親友に
かわりない。