。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。








来   ま せ   

     
      黄  龍 





――――――!




ぱっと目を開けると、そこは高くて白い眩しいほどの天井が広がっている。


ここは―――どこだ…


枕に頭を預けたまま辺りをきょろきょろさせると、ベッド―――…


そう私はベッドに寝かされている。腕には点滴も―――


ザー…


つけっぱなしになったテレビはノイズだらけで、こちらも不快な雑音ばかり。


画像も乱れている分この言い知れぬ不快が倍増だ。


―――…一つ一つ状況を飲み込んで消化するのにひどく時間がかかった。


ここがどこなのか


とりあえず分かったのが


ここがどこかの病院だということ。


ベッドの足元にパイプ椅子に腰掛けた若い男が一人、ケータイを耳に当てタブレット端末を手に緊張した面持ち。


全体的に線の細い男だ。


あの細腕だと―――きっとそう強くない。


その名も知らない男は、私が起き上がるのを目に入れると


「戒さん……ちょっと待ってください。お嬢がお目覚めになりました」


電話の相手はカイなる人物か。



名前を聞いても誰だか分からない。


この男も



分からない。






敵か味方か―――





判断がつかなかった。








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