。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
侵入者が入り込めるということは、そこから外へ出られるということだ。
まだこの病院の構造を把握し切れていない私にとって、それは願ってもない客だった。
そいつと接触し、脅すなり何なりして出口まで行こう。
そう決意してタブレット端末の光を目で追っていると、突如またも違う色の光が登場した。
侵入者が―――二人になった―――?
もう一人の侵入者は西棟の一階部分……から突如現れた。
どちらと接触しようか。
悩んだが、新しく侵入してきた方を選んだ。
場所がこちらの方が近い。
私はタブレットを持って駆け出した。
――――
――
タブレットを頼りに侵入者の光を追ってたどり着いたのは、そこから数メートルも距離がないところだった。
最初の侵入者より移動のスピードが速かったおかげだ。
侵入者の光はふっと止まった。
ここ――――……?
私はその部屋を見上げると
そこは〝TOILET”になっていた。しかも表示はMan。男子トイレだ。
タブレットをそろりと床に置き、私は拳銃を取り出した。
コト…
中から小さな物音が聞こえてきて、私は壁に身をひそめた。