。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
別に朔羅に後ろめたいとか気持ちはない。
やましいことがあるわけじゃないし、ホントに手伝ってもらいたいことがあるからだ。
超!健全な図書館だしな。
でも俺の胸が痛んだ理由は
――――朔羅のこと泣かせないでね。
俺が朔羅と付き合ったとき川上と約束したことを
守れなかったからだ。
「朔羅はこねぇよ」
思わず声が低くなって、だが川上は俺の異変に気づかず
「何で?バイト?」とのんびり聞いてくる。
「いや。あいつ日射病で倒れたんだ。
大したことないけど大事をとって今日は入院」
「日射病!?嘘っ!!」
川上はさっきののんびりした声から一転途端に慌て始めた。
「大丈夫だって。精密検査もしたけど異常なしだし」
「そぉ?」
川上はまだ疑り深い目で俺を見上げてきて、
「疑ってるのかよ」
俺は目を細めた。
川上は鋭いな。
それ以外に
朔羅と喧嘩した―――
ってこと、言えなくて
俺はまたも……まるで鉛を詰まらせたような気分になった。