。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「僕の両親はもうこの世に居ないよ……敢えて言うなら君の……」
言いかけて「ごほん」男はわざとらしい咳払いをした。
「……とにかく、うさぎちゃん寝ぼけてるんだよ……。
ね?その物騒な物をしまって?」
男は丹精な眉をひそめて私の拳銃を目配せ。
随分と
威力のある眼の持ち主だった。
目つきが悪い、とかではなく造り自体が―――
その黒い瞳に見つめられると、そうしないといけない気がした。
何故だか逆らえない何かを感じる。
私はその拳銃をそろりと下し、男を見下ろした。
どのみち反撃に出られるほどすぐ動けまい。
「質問だ」
私が問いかけると
「………僕のスリーサイズならベッドの中で教えてあげるよ♪」
またもフザケタ返答に私が無言で拳銃を構えて男に向けると
「Wow!!Wow、Wow!ごめんなさい!!」
と男は両手を挙げてあたふた。
「貴様が青龍会の者かどうかは後で確認する。
名を名乗れ」
私が拳銃の先を向けたまま聞くと
「大狼
大狼 恵一」
と男は弱々しく呟いた。