。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
私は両手首を縛られ、あっさりと手の動きを封じ込められた。
握っていた拳銃が芝生に落ち、その落下する様を目に収めながら空いた脚で男の横っ腹をめがけて振り上げたが
男はそれを素早い動作で阻止。
こいつも―――
強い。
私はあっけなく倒され、
今度は私が逆に―――…下になり、大狼が覆いかぶさってくる。
間近で覗き込んできた大狼の顔が―――吹き抜けになっている天井の窓から侵入した月の光で
よりはっきりと分かった。
美しい
男だった。
「いつもの君も素敵だけど、今日は何だか大人っぽくて
そうゆう君も好きだな」
大狼が私の顔に近づいてくる。
月の光に照らされて、大狼の整った顔がより幻想的に闇の中浮かび上がる。
私は目を細めた。
大狼も僅かに目を伏せて顔を近づけてくる。
キスができそうな距離まで近づいて―――