。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
シャッ!
勢いよくカーテンを後ろ手に開く。
「動くなよ。
動いたら撃つ」
しつこいぐらいに念押しして私はドクターに拳銃を向けたまま一歩下がった。
「動きませんよ。私はただの医者ですから…
でも
なるほど外が騒がしかったのはあなたの仕業だったんですか…
一体外に何人倒れているのですか」
両手を挙げたまま小さく吐息をつくドクター。
「さぁな。自分の目で確かめてみろ。
お前もああはなりたくなかったら、大人しくしてるんだな」
私は一歩後退すると、ドクターは軽く肩をすくめた。
「お嬢さん、あなた怪我をしているようですよ。
あまり無茶はしない方がいい」
ドクターに宥められるように指摘され、あたしはちらりとメスで切りつけられた腕を見た。
じんわりと白衣の下から赤い血がにじみ出ている。
「大したことじゃない」
「そう言うわけにはいかないですよ。仮にも私は医師で。けが人を放っておくわけにはいかないのです」
ドクターは両手を軽く挙げたまま神妙に言い
「黙れ!
大人しくしてろ、と言ったはずだ!!」
私が怒鳴って拳銃をさらに突きつけるとドクターは唇を引き締め小さく頷いた。
ドクターに拳銃を向けたまま、一歩さらに一歩下がってちらりと横目で確認すると大きなベッドの上
目にも美しい男が長い睫を伏せ、目を閉じて横たわっていた。
血の気の失せた白い顔は生気がなく、腕には点滴が刺さっている。
もう一人の黄龍――――
やっと……
やっと
見つけた
私の愛しい片割れ。