。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
響輔がケータイを耳に当て
「もしもし?戒さんが電話に出られへんから代わりでもええですか?」
と真剣な表情で聞いている。
響輔はそれから二三「ええ、はい」とか「は?」とか受け答えして、途中通話口を押さえて
「熱くなったらこっちの負けですわ。ヤツのペースに巻き込まれんようにせな」
真剣に言われて俺はぎこちなく頷いた。
響輔の言うことは一理ある。
これは明らかに挑発だ。
けれど響輔は真剣な顔で頷いていたものの、突如俺にケータイを向けてくる。
俺は響輔からケータイを受け取って再びのろのろと電話口を耳に当てると
『虎間 戒くん――――?
どんな薬でも己に打ち勝つ抗体は存在する。
龍崎 朔羅に投薬したのは危険極まりない薬だ。
私がそんな危険な薬に特効薬を作ってないとでも―――』
「その薬っ!どこにあるんや!」
再び怒鳴ると
『薬じゃないよ、同じく免疫だ―――
鷹雄 響輔の―――ね。
発症したときと同じ方法で免疫が龍崎 朔羅の体内に入れば
彼女は助かる』
なん――――だって―――