。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「きょ、キョウスケ!お前どうしたの!!
その傷っ!」
額に巻いてある包帯を見てあたしが思わず指さすと、
「階段で転びました」
と、キョウスケはあっさり。
「ドジなやっちゃで」
と、戒も苦笑い。
階段で、ってそれにしても
「運動神経抜群に良いお前が珍しいな。どんな落ち方したんだよ」
あたしはひたすらに目をぱちぱち。だって包帯の巻き方からして結構な怪我だぜ!
キョウスケは一瞬だけ戒の方を見て
「それはもう…階段落ちのように…
階段落ちとは、新撰組が…」
「あ、もういいや」
いつかの説明を繰り返されてもあたしわかんないし、あたしはキョウスケの言葉を遮り
「大丈夫かよー…気ぃつけろよ」
と苦笑いしか浮かべられなかった。
「大げさに巻いてあるだけですよ、それより戒さん。ちょっといいですか」
キョウスケは戒を目配せすると顎で出入り口を指し示す。
「おう。朔羅、退院するため荷物まとめとけ?俺らちょっと話あるから」
と、そそくさと二人して出ていっちまった。