。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
まぁた!!内緒話かよっっ!!
あたしは目を吊り上げて二人の行方を睨んだが、あたしの視線にも気づかず二人は振り向きもせず病室の外へと出ていっちまった。
くっそ!
二人で何こそこそしてんだよ!
気になってあたしは出入り口にそっと耳を押しあてた。
壁に耳ありだ!
また意味深で怪しげな会話を繰り広げているだろうと思ったが、二人の声は全く聞こえず気になって引き戸を開けて外の様子を窺うと
二人は忽然と姿を消していた。
あれ??さっきのさっきまでそこに居たのに。
気になって辺りをキョロキョロしたけれど二人の気配は完全に消えていた。
仕方なしに病室で二人を待つこと数分。
荷物をまとめていると……て言っても昨日キリさんに借りた荷物はキリさんが持って帰ったのかあたしの荷物なんてたかが知れてる。
バッグに入れてきた荷物を確認していると
ほどなくして二人が帰ってきた。
出ていくときのような深刻な顔じゃなく、気軽に一服してきました~みたいな妙にすっきりした顔つきで
事実、二人からほんの僅かにタバコの匂いが漂ってきた。
「お待たせしてすみません。さっき龍崎組に電話したら
マサさんが迎えに来てくれるみたいです。駐車場まで行きましょう」
キョウスケは素直に謝ってきて、
「…お、おう……」
何だかそれ以上突っ込んで聞けない雰囲気にあたしは口を噤んだ。