。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
*戒Side*
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** 戒Side **
「戒さん、ちょっといいですか」
響輔に呼び出されて向かった先は、廊下の奥の奥に位置する
喫煙場所。
申し訳程度に設置された古びたステンレス製の灰皿を囲んで、俺たちは見つめ合って……訂正、見据え合って対峙していた。
いや、やっぱりこの場合見つめ合って、の方が正しいよな。
「響輔……」
「戒さん…」
「響輔」
「戒さん」
「響ちゃん!」
「戒さ…」
響輔が最後まで言い切らないうちに俺は
ガバッ!
響輔をぎゅっと抱きしめていた。
「ほんまにほんまに無事で良かったぁああああ!!」
今にも泣きそうに叫ぶと、俺より幾分か冷静だった響輔は俺の頭をぽんぽん。
「連絡できなくてすんまへん。でも俺怪我一つしてへんから。
心配かけて
すんまへん」
すんまへん
珍しく響輔は何度も何度も小声で俺に謝ってきた。
そんな言葉、俺には必要なかったし、欲しいとも思わない。
ただただ響輔が無事で良かった―――
それだけだ。
「「………」」
抱き合ったまま変な沈黙が流れ、俺たちは同じタイミングで体を離した。
「……やっぱ、抱き付くんなら女の方がええな」
「同感ですね。柔らかくない…」
感動の再会だってのに二人してガクリ。