。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「それよか、俺……朔羅の前で平静を保つの結構苦労したで。
打ち合わせもなんもなかったから、俺頷くしかでけへんかった」
「戒さんのアドリブなかなか良かったと思いますよ?
おかげでお嬢は少しも疑ってない」
「だとええけどな」
「お嬢は単純ですからちょっと難しい話を出すと、すぐに考えるのがイヤになっちゃうんですよ、大丈夫です」
お前なぁ、仮にも愛しい女を〝単純”呼ばわりするなよ。
まぁそうゆう俺もそう思うけど。
「……んで。誰に手当てしてもろたん。イチか」
俺は響輔の額に巻かれた包帯を目配せ。出かけるときはこんな包帯巻かれていなかった。
包帯…と言うよりも清潔なシーツの切れ端のよう切り口がぎざぎざしている。
響輔はしばらく悩んだ素振りを見せ
「それが……ドクターを呼んだ言わはるんですわ」
「ドクター……?あいつが?この病院を抜け出した気配なんてなかった気ぃするけど」
「俺もそう思います」
この巻き方は医師って言うよりも―――軍人の応急処置に見えるのは気のせいか。
「じゃぁ誰がお前の手当てした言うねん。イチが?」
「いえ……高度な医療技術ですよ。ちゃんと傷口も縫合されてるし、一結じゃ到底無理かと。
考えられるんは一つ
スネーク」
スネーク。