。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
AM2:00-都内某所
バタン!
私は自分のマンションの扉を乱暴に閉め、照明を落としたままの玄関口で思わずズルズルと座り込んだ。
軽く頭痛がする。
そんな意味で額を押さえる。
何だったんだ
「何だったんだ……さっきのは」
自分でも信じられない思いで独り言を漏らし、暗い部屋の中私は自分の手のひらを見つめた。
この手で触れた―――
一結の体に。肌に―――
その感触がリアルにまだ手のひらに残っている。
無理もない、つい数時間前のことだから。
女を抱くのは私にとって単なる性欲処理の一貫に過ぎない。今までだって寝た相手に何の感情も持ち合わせていなかった。
相手だって私に多くを求めていないだろう。その
機械的なセックスはちょうど良い運動にもなるし、何より欲望の解放に役立つ。
それなのに―――
私はたった今イチを抱こうとしていて、まがりなりにも途中までそう言う雰囲気になって
彼女のこと
大事に大事に
したいと
そう
思っていた。