。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
泣き出しそうになるのを何とか堪えて、
「………ごめ……なさい…」
勝手に電話を出たことを謝るのが精一杯。
まともに響輔さんの顔を見れずに俯いていると、
「いえ、大丈夫です。こちらこそすみませんでした」
と謝ってくる響輔さん。
こんなときまで
あたしに気を遣うなんて―――
でもきっと響輔さんがこんな風に優しいのは
あたしが朔羅の親友だからだ。
「…なんで…」
あたしが顔を上げると響輔さんとまともに目が合った。
黒い瞳からは何の感情も読み取れなかった。
「何で、怒らないんですか!勝手に電話に出てっ!って。
何で怒鳴らないんですか!」
あたしサイテー。
あたしが悪いのに、完全に八つ当たりだ。
それでも
止められない。
「あたしが朔羅の親友だから!?
あなたの大切な人の親友だから!?
そんな風に思わないでください。そんな風に思う必要ないです。
余計に
惨めになる」