。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
はじめてのキス。
――――それは触れるだけの優しいキス。
唇と唇が触れ合う瞬間、響輔さんがまばたきをしたのが分かった。
長い睫があたしの額を掠めて、あたしは響輔さんの唇に唇を重ねた。
キス―――
はじめての
少女漫画とかドラマでよく見るその1シーン。
海の見える海岸カフェで、とか、オシャレなレストランで、夜景が見えるところで―――
色々想像したけど、でも現実はあたしの部屋だったし、それもアクシデントでたまたまここに居てくれただけだし。
……って、考えてる場合じゃない。
い、息ってどうすればいいの!
角度は変えるべき!?
てかあたし、自分からこんなこと、はしたない!??
そんなことをあれこれ考えてるときだった。
最初に身を離したのは、響輔さんの方だった。
あたしの両肩を掴み、あたしを引き剥がす。
その拒絶に
心が凍りつきそうなほどショックだった。