。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
*戒Side*
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** 戒Side **
「キョウスケ、頼むから今すぐ帰ってきて!」
俺の隣で朔羅は手を組み合わせてブツブツ。顔を青ざめさせている。
そっんなに、イヤなんかよ、俺とエッチするのが。
まぁ……朔羅は過去にトラウマだってあるだろうし、今までは流れでそうなりそうになったこともあったけど、改まるとそう簡単に許せるもんじゃないよな。
俺が賭けのことを言い出したのはほんの気まぐれ。
ただ言ってみただけだ。
俺だって響輔のヤツが川上に手を出すとは思えないし?
川上だって大胆に迫るような女じゃない。
それを分かっていて言い出したのは、ちょっと朔羅の反応を見たかったって言うね…
でもオフザケが過ぎたみてぇだな。
こんなに青くなっちゃって。
「あ、そうだ。俺ワックス切れてんだった。
今からドラッグストア行くけど、お前も行く?」
俺は話題を逸らすように言うと、朔羅はブンブン首を横に振った。
「あ、あたしはいい!」
おい……なんだよ、そのオオカミを目の前にした子ウサギのような目は。
いくらなんでも俺だってドラッグストアに行く途中にホテルに連れ込むことはしねぇって。
「んじゃ、俺行ってくるからお前、部屋で寝てれば?」
俺が襖の向こう側を促すと、朔羅は
「ね、寝て!?」
と、また妙なところで反応する。
「ばぁか。幾らなんでも俺だって今すぐってわけにはいかねぇよ。
肝心の響輔だって帰ってこないし。
今日は疲れたろ?早く休めよ」
安心させるためにちょっと笑うと、朔羅はあからさまに安堵の色を浮かべた。