。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
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「しっかし、今更何がイヤなんだろうなー」
キスだってたくさんしてるし、抱っこもするし、一緒の布団で眠ったこともあるし、風呂だってある。
なのに、もう一歩ってところでできないんだよな。
家の近所のドラッグストアのワックスコーナーで俺は首を捻った。
メンズ用なのにやたらとカラフルなパッケージが並んでいて、いつも使ってるセット力の高いワックスを一つ手に取る。
容量少な目のをとって、
「……まさか、あいつ……」
俺はそのワックスを棚に返した。
「俺のこと粗○ンだと思ってね!」
慌てて多めの容量をとって手の中でそれを眺める。
「見栄??」
………
んなワケないって。あいつに限って倅の大小なんて関係ねだろ。
てか俺は決して粗チ○じゃねぇぞ!
……だけど
龍崎 琢磨はいいもんもってるよな。
「う゛ーん、マグナム……」
(一緒にお風呂に入った仲です♪)
「ぐわぁ!思い出してるんじゃねぇ!俺っっ」
消えろ妄想!
何て危険なんだ、ワックスコーナー。
早く帰って俺も寝よう。
ワックスコーナーから離れたけど、すぐにレジへ向かうわけではなく足はふらふらと店の奥に向かって行った。
一応持ってるけど、ここ最近ご無沙汰だったし、古いからな…
万が一ガキが出来てももちろん結婚するつもりだし、順番なんてどーでもいいけど。
朔羅は困るだろうしな。
「明るい家族計画は必要だ?」
俺は“あれ”の陳列されている棚をじっと眺めた。
使う日来るのかな…と正直疑問だが、備えあれば憂い無し。って言うしな。
朔羅の体、ふわふわすべすべで気持ちいーんだよな♪
もっとぎゅっとしてたくさんキスをして―――
………
いかん、想像するとあらぬところが元気になりそうだ。