。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。





「てか、この状態見て突っ込むことねぇの?」


俺がゴムの列から手を離すと、



「戒さんのこんな光景見慣れてるんで今更……あ、それ高いですけど結構いいですよ」


響輔が黒いパッケージを指差し、


「ふーん、俺使ったことねぇや。使ってみよ♪」


「………


って、ちっがーーーーう!」


響輔はいきなり怒鳴り声を上げて、俺からそのパッケージを取り上げた。


「な、なん…!?」


俺は響輔の奇行にビビって、目をぱちぱち。


「戒さん、まさかお嬢と使うつもりですか」


ギっと睨まれて、俺は肩を竦めた。


「朔羅しかおらへんやん」


「堂々と宣言しないでください」


そんな言い合いをしていたときだった。


「あっれー?聞きなれた声だと思ったらやっぱお前らだったか、キョウスケ、メガネ♪


ぐーぜん♪俺はトイレットペーパー買出し。車で来てるし、帰り乗せてってやるよ」


と通路の向こう側からタクさんがひょいと顔を出して、俺たちと俺が握ってるブツを見て目をぱちぱち。


「………わり…何か邪魔したみてぇだな」


タクさんは何を思ったのか顔を青くさせて後ずさる。


俺はブツと響輔を見比べ、思わず響輔を指差し。そんでもってその指の先を俺に向けて


「いや!これは違っっ」


慌てて言い訳したも、


「いいって、いいって。必要だもんなー」


とタクさんは苦笑いで走り去っていってしまった。


違うってーーーー!!


これはっっ!朔羅と使いたかったの!


なんて




言えるわけねぇ。




てか車、乗せてくれねぇんかよ。俺ら置き去りかよ。




< 98 / 841 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop