。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「てか、この状態見て突っ込むことねぇの?」
俺がゴムの列から手を離すと、
「戒さんのこんな光景見慣れてるんで今更……あ、それ高いですけど結構いいですよ」
響輔が黒いパッケージを指差し、
「ふーん、俺使ったことねぇや。使ってみよ♪」
「………
って、ちっがーーーーう!」
響輔はいきなり怒鳴り声を上げて、俺からそのパッケージを取り上げた。
「な、なん…!?」
俺は響輔の奇行にビビって、目をぱちぱち。
「戒さん、まさかお嬢と使うつもりですか」
ギっと睨まれて、俺は肩を竦めた。
「朔羅しかおらへんやん」
「堂々と宣言しないでください」
そんな言い合いをしていたときだった。
「あっれー?聞きなれた声だと思ったらやっぱお前らだったか、キョウスケ、メガネ♪
ぐーぜん♪俺はトイレットペーパー買出し。車で来てるし、帰り乗せてってやるよ」
と通路の向こう側からタクさんがひょいと顔を出して、俺たちと俺が握ってるブツを見て目をぱちぱち。
「………わり…何か邪魔したみてぇだな」
タクさんは何を思ったのか顔を青くさせて後ずさる。
俺はブツと響輔を見比べ、思わず響輔を指差し。そんでもってその指の先を俺に向けて
「いや!これは違っっ」
慌てて言い訳したも、
「いいって、いいって。必要だもんなー」
とタクさんは苦笑いで走り去っていってしまった。
違うってーーーー!!
これはっっ!朔羅と使いたかったの!
なんて
言えるわけねぇ。
てか車、乗せてくれねぇんかよ。俺ら置き去りかよ。