。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
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「俺、龍崎組におったら頭おかしくなりそうや」
近くのファミレスでコーヒーを飲みながら俺は頭を抱えた。
「同感です。俺も戒さんと同じ人種だと思われてますからね」
響輔の言葉に俺は思わずこいつと顔を見合わせて、二人して
「「ありえへん!」」と唸った。
「んで??緊急事態って何?切羽詰ってそうだけど」
結局、響輔とタクさんの乱入でゴムも買えなかったしー、俺は投げやりに聞いた。
響輔は飲んでいたコーヒーのカップをゆっくりとソーサーに戻して、
「リコさんに“好き”って言われました」
これまた世界の終わりみたいな深刻な顔で、さらりと告白。
「…え?」
俺の方が動揺してカップの柄を握る手が滑った。
慌てて持ち直して、
「ほー、へー。あいつとうとう言ったんだ」
頬杖をついて窓の外を眺める。
「とうとう……って知ってたんですか」
響輔が僅かに目を細める。
「お前以外全員な。お前、鈍過ぎだもん」
「全員ってことはお嬢も―――……?」
響輔が細めていた目を開く。
「もちろん知ってたよ。で?お前は何て?」
俺は返事が気になってせっかちに聞いた。
「もちろん、お断りしましたよ」
やっぱりな。