【完】終わらないラブストーリー








「一発で仕留める」


先生は言葉通りウサギのマスコットを一発で仕留める…。





ことはできなかった。



「おじさんもう一回!」


何回も何回もお金を払い、先生はウサギのマスコットを狙い続けた。



「せ、先生もういいですよ!」


「いーや!俺は絶対とってみせる」


先生はものすごく燃えていた。
私は後ろで見ていることしか出来なくて…。




気づくと、いつの間にか祐樹と美紀の姿はいなくなっていた。






「おっしゃああああ!!」


先生の叫びと共に目の前で落ちていくウサギのマスコット。


「見た?見た見た?まりあちゃん!とったよ!!」


先生はまるで子供みたいに喜んでいる。
私もつい一緒になって大きな声をあげて喜んでしまった。



その一部始終を見ていた屋台のおじさんは
おまけとして商品の中でもう一つ好きな物を持っていけと言ってくれた。



「お前さんたちは、仲がいい恋人さんだからおじさん胸打たれちゃったよ」


「こ、恋人!?」


私は素直に驚く。


でも先生は笑顔で「ありがとうございます♪」と言った。



「じゃあ…あれください」


先生が選んだのは
ウサギのマスコットの横にあったクマのマスコット。

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