【完】終わらないラブストーリー
たとえ一日だけでも、
先生と恋人気分でいれるのは嬉しい。
先生と生徒。
絶対に越えられない壁。
簡単に『好き』と言えたらどれだけ楽だろう。
…私はそんな気持ちをそっと心の奥にしまった。
「んー…?そういえば藤井と仲村は?」
「あっそうなんですよ。いつの間にかいなくなっちゃってて」
「仲村が思い切ったか…?」
「ドキドキですね!!」
「おーし、ちょっと探してみるか」
「はい!」
屋台が続く道。
人ごみの中に私と先生は入った。
「きゃっ」
人の流れに押されて私は先生と離される。
「まりあちゃん左手かーして♪」
私は言われるまま左手を先生の方に出した。
先生の大きな右手が私の左手を包む。
「せんせ…?」
「行こう♪」
───私は今世界で一番幸せ者なのかもしれない。